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おすすめラノベ紹介/来タル最強ノ復讐者 ~救いなき監獄都市で絶望を容赦なく破壊する~1巻

来タル最強ノ復讐者 ~救いなき監獄都市で絶望を容赦なく破壊する~1巻

来タル最強ノ復讐者 ~救いなき監獄都市で絶望を容赦なく破壊する~ (電撃文庫)

レーベル;電撃文庫
著者;哀歌
イラスト;夕薙
発売日2021/01/09
関連ワード;復讐 ダーク バトル ファンタジー

 

来タル最強ノ復讐者 ~救いなき監獄都市で絶望を容赦なく破壊する~1巻/カンタンなあらすじ

 大監獄ゾルバトス。幾重もの強固な壁に囲まれた囚人たちを縛り付けるための地。
そこに収監されようとしている一人の男がいた。その双眸に激しい憎悪の炎を燃やす男の名はヴァイド。瞳の奥に未だ焼き付くは凄惨極まる光景――あの日、全ての運命は一変してしまった。
妹は無実の罪を着せられ連行。それを止めに入った母は甚振られ、惨殺されてしまった。
約二年。それは、ヴァイドがこのゾルバトスに辿り着くまでに費やした時間だった。
全ては母の仇をとり、妹を連れ戻すという目的を果たすため。
そして僅かな手掛かりを頼りに、監獄に自ら入り込んだヴァイドは区画の一つを牛耳るオーラフ看守長が手掛けた相手の一人だと知る。
仇敵オーラフに近づくためヴァイドは、一筋縄ではいかない大監獄ゾルバトスの異常な闇に立ち向かっていく。

来タル最強ノ復讐者 ~救いなき監獄都市で絶望を容赦なく破壊する~1巻/登場人物紹介

ヴァイド

片田舎で育った少年。母の命と妹の身柄を奪われたことで人生をその復讐に捧げる。

イレール

赤毛のグラマラスな女性。手癖が悪く、大監獄に慣れていない新人をカモにしている。

アニカ

ヴァイドの二つ年下の妹。謂れなき疑いがもとで、罪人としてゾルバトス大監獄に連行されてしまった。

リューナ

見た目は小柄な女性であるが、治安が悪く無法者の多いダールディンク区画で仕事斡旋を行う情報屋を営んでいる謎多き人物。礼儀作法に関して厳しい。

オーラフ

ゾルバトス大監獄のダールディンク区画を管理する看守長。ヴァイドの復讐の対象者の一人。非常に残忍な性格をしていて、盾突くものには容赦なく暴力を与える。

 
来タル最強ノ復讐者 ~救いなき監獄都市で絶望を容赦なく破壊する~1巻/感想・レビュー

 

『復讐』、『監獄都市』というダークな雰囲気に満ちた作品です。もっとも監獄とはありますが、囚人は基本的に繋がれておらず自由ですし、普通に街の機能も有しているのであまり監獄らしい空気は感じにくいです。圧政が行われ、治安が悪い都市といったイメージが一番近いかもしれません。
作中では、ダークファンタジーらしく終始暴力的な要素や残酷な表現が生々しく描写されています。こうした重く薄暗い空気が好きな人には、たまらない刺激がしっかりと用意されています。
タイトルには最強と冠されており、内容的に主人公最強ものだと緊張感や絶望感がやや薄くなるという部分があるのかもと思いましたが、杞憂でした。主人公には枷を与え、また多くの謎や不信感をばらまくことで不安や焦燥がほどよく生まれ、物語が引き締まっていました。
もちろん圧倒的ともいえる実力の描写もあり、最強ものとして爽快感に関するところも十分得られます。
そして復讐劇として重要な役柄ともいえる悪役。ここに据えられしオーラフ看守長は非道なヒールぶりを容赦なく発揮していて良かったです。
やはりひとつの懲悪物語としては対峙する存在が取るに足らない小悪党では面白くありません。醜悪さが際立ち、読者が嫌悪感を抱いてこそです。その点でいえば、オーラフは物語の最初から最後まで悪役としての本分を全うし、存在感のアピールも十分でした。
主人公ヴァイドにも同情でき、醍醐味となる仇をうつシーンは、胸がすく思いになれました。悪役オーラフの最期はひとつの見どころとなっています。
しかし、復讐はこれですべて終わりというわけでなく、ゾルバトスという牢獄都市にも多くの謎が残っており、非常に気になる引きで終わってしまったので次の話が待たれます。
次巻が出るのであれば、今以上により闇色を濃く感じれるように魅力的な悪役と手に汗を握る絶望的展開をもっともっと期待したい作品でした。

ひとくちおすすめポイントまとめ

  • ほどよい重さのダークファンタジー
  • クールな最強主人公と下劣な悪役が織りなす魅力の復讐劇!

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