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おすすめラノベ紹介/初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ

初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ

初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ (ファンタジア文庫)


レーベル;ファンタジア文庫
著者;神里 大和
イラスト;sage・ジョー
関連ワード;恋愛 学生 幼馴染 三角関係

初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ/カンタンなあらすじ

織笠結斗には忘れられない初恋があった。
自宅療養ばかりで過ごしていた幼き日に仲が良かった一つ年上の少女・九条彩花。
彼女が遠くに引っ越してしまったためにしばらく全く会えずにいたが、一つの目標であった有名進学校である海栄学園高校のトップをとったことをきっかけに結斗は八年ぶりに連絡をとる。
「近々会いましょう」――その返答から間もなくして彩花は海栄へと転入してくる。
心待ちにしていた再開の時だったが、彩花は、夢を叶えて人気若手女優として活躍するほどの高嶺の花へとなっていた。
憧れの人の隣で並び立つ姿が想像できず、気後れする結斗。その姿を見た幼馴染の藤堂澪は、結斗の背中を押すべく恋のキューピットを買って出る。

初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ/登場人物紹介

織笠結斗

勤勉で進学校の海栄学園高校の中でも優秀な成績を誇る秀才。若手女優である十条アヤの大ファン。

藤堂澪

結斗の従兄弟であり、幼馴染。海栄のスポーツ特待生であり、オリンピック候補と目されるレベルの水泳の実力を持つ。快活で非常に負けず嫌いな性格をしている。

九条彩花

結斗の初恋の相手。十条アヤの名で女優として活躍しているが、一時休止して海栄学園高校での学業に専念する。プロ意識が高くストイックで、かなりの倹約家でもある。

織笠京

結斗の姉で、彩花の親友。海栄学園高校の生徒会長にして学年主席という模範的生徒であるが、可愛い女の子に目がない。


初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ/感想・レビュー

ストーリー

タイトルそのままヒロインが主人公の恋をサポートするというキューピット役になることが軸になるラブコメです。
このタイプは、おおまかに協力をするヒロインが主人公に対して好意を持っている、いないの二パターンに分かれますが、本作は前者の好意をしっかり持っている状態で、その主人公への好意を本人が完全に自覚できていないところから始まります。
主人公の恋を応援しつつも、少しづつ自分の恋心を意識していってその気持ちをなんとか押し殺そうと葛藤していく様子が一つの見どころとなります。
三角関係にはつきものの、ヒロインの嫉妬や対抗心、修羅場的な描写も軽めなものから重めなものまで多くみられました。「ドキリ」とさせるだけでなく、「ゾクリ」ともさせてくれるシチュエーションがあるのは良作の証です。質も量も三角関係ものとしては高い満足感がありました。
メインキャラクターである結斗、澪、彩花の三人の視点をそれぞれ細かく入れ替えながら、彼らの内面を丁寧に描きつつ物語を進めていくので、複雑な心理状態の変化もダイレクトに伝わり楽しめました。
恋を応援する側の澪が自分の気持ちを自覚し参戦するところからがこの物語は本番だと思いますので、これから三人の関係がどう転んでいくのか非常に期待できます。

キャラクター

三角関係ラブコメというストーリーの都合上、良くも悪くもめんどくささを抱えたキャラクターになっています。綺麗すぎず人間らしさをしっかり持つが故に良い拗らせ具合とそれによる面白いドラマが生まれる側面もあります。
ダブルヒロイン体制を確立するため、澪と彩花はそれぞれ異なる強みと弱みの個性と魅力をアピールしてくれます。
澪は、がさつで女性らしさが欠けているように見えますが、ふとした瞬間にしっかりと少女らしい可愛さや異性を感じさせるギャップを有しています。彩花のほうは、逆に女性らしさが溢れ優し気なイメージのキャラですが、自己への厳しさを持っていたり、勉強面が苦手などの意外な一面を持っています。
どちらのヒロインも応援しやすいエピソードがしっかりあり、良いバランスで描かれていました。
主人公は、努力家設定なのもそうですが、ストーリーの中で自分の好きな人と並び立つために高い目標を持つ点に好印象を受けました。難しい夢の道程に彼がどう立ち向かっていくのかも恋愛模様と同じくらい気になるところです。 

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