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ライトノベルを中心とした小説や物語のレビューブログ

おすすめラノベ紹介/未実装のラスボス達が仲間になりました。2

未実装のラスボス達が仲間になりました。2

未実装のラスボス達が仲間になりました。2

レーベル;ファミ通文庫
著者;ながワサビ64
イラスト;かわく
発売日2021年5月28日
関連ワード;ファンタジー、バトル、冒険、MMORPG

1巻の感想はこちら

yomukakunovelove.hatenablog.com

未実装のラスボス達が仲間になりました。2/カンタンなあらすじ

魔王を従えた修太郎の協力の下、大都市アリストラスに迫った侵攻の危機は防がれた。
しかし、訪れた平穏は一時的なもので、デスゲームそのものを終わらせなければ、プレイヤーの安全が本当の意味で確保されたことにはならない。修太郎は、閉ざされたゲーム空間からのプレイヤーの開放を目指すことにする。
ゲーム終了の唯一の手掛かりは「彼を破壊する」というmotherAIからのメッセージ。
彼の正体を探るべく、ひとまずゲーム攻略を進めようとする修太郎だったが、魔王らの力押しだけでは解き明かせない様々な仕掛けがダンジョンには施されていた。
他のプレイヤーとの情報交換を視野に入れた修太郎は、召喚士へのクラスチェンジを決意する。
召喚士の職業ならば、魔王を連れながらも自然に街を闊歩することも、プレイヤーと交流することも可能となる。
修太郎は、単独でアリストラスへ赴き、召喚士のいるパーティ依頼を探す。

未実装のラスボス達が仲間になりました。2/登場人物紹介

ルミア

アリストラスの紋章ギルドの窓口対応をする受付嬢。現実でも大企業の受付業務をこなしていた。

キャンディー

レベル35の紋章ギルドの頼れる戦闘指南役。体つきの逞しいオネエ。修太郎のことを気に入る。

紋章ギルド所属の重戦士。パーティのリーダー兼壁役(タンク)で、レベルも30超えの実力を持っているが、装備品はやや貧相。

ショウキチ

紋章ギルド所属の剣士。修太朗と同年代の活発な少年。リーダーである誠に憧れ、目標としている。

ケットル

紋章ギルド所属の魔導士。眼鏡をかけた少女。同じ年少組でお調子者のショウキチをよく冷やかしている。

バーバラ

紋章ギルド所属の聖職者。落ち着いた大人の女性。リーダーである誠を支えながら、パーティ全体を優しく見守る。

キョウコ

紋章ギルド所属の弓使い。パーティではショウキチやケットルの姉役の保護者。

リヴィル

紋章ギルド所属の召喚士。高慢な中年女性。タンクができるレアな召喚獣を従える。

未実装のラスボス達が仲間になりました。2/感想・レビュー

ストーリー

デスゲーム系MMORPGの2巻目になります。1巻目は群像劇として、様々な人物の視点から物語を動かしていましたが、2巻目である今回は、主人公である修太郎がほとんど中心となっています。
修太郎は、ゲーム内最強ともいえる戦力を持っているため、デスゲーム特有のハラハラする緊張感や危機感を楽しむという部分については、比較的薄味です。
その分、前の巻ではあまり描けなかった修太郎の魔王以外の他のキャラクターとの関りによる新たな人間模様が非常に多く描かれています。大人から同年代の子供たちまでいろいろなプレイヤーと接しながら、クエストを攻略していきます。
ひょんなことから過ぎた力を得てしまった修太郎ですが、その内面自体はまだ幼く、発展途上です。新たな出会いと共に心温まる交流を重ねて、少しずつ成長していく様子を見ることができました。
1巻目から期待していた方向とはやや違ってはいましたが、優しく温かな気持ちになるドラマがありました。
設定やそれについての説明は2巻目でも相変わらず多めです。一つ一つのコストはそう重くありませんが、やはりゲームやこの手の異世界ものに慣れている方のほうが負担はずっと少なく済みます。逆にワクワクできる好きな世界の塊として受け取れるなら、大きなプラスになるはずです。新鮮さはありませんが、ロマン的なものは強く感じられます。
今回、ラスボスの魔王やヒロインのミサキ、またワタルなどの最前線で戦うプレイヤーの出番が控えめだったため、次回は彼らの出番と共にまた心地よい緊張感とそれを打ち破る爽快感を体験できる素敵な巻になることを期待します。

キャラクター

2巻目からも新キャラクターが多数登場しました。正直、ひとりひとりのキャラクターをしっかりと認識し、見分けるのはやや負担があり、難しいところもあります。キャラクターが多い分、描写が薄いキャラもやはり出てくるため、一部を除けば、印象に残りづらかったです。
ストーリーの方で述べた通りほとんどが主人公の一人である修太郎にフォーカスした物語であったため、修太朗というキャラクターを色々な登場人物と関わらせながら、たくさん掘り下げを行ったのは良かったです。彼の幼さ、子供らしさはこの作品の一つの魅力になります。ショウキチのような同年代のキャラクターやバーバラや誠、ルミア、キャンディといった新しい大人組と交わることでさらに良い味が出ていると感じました。
また魔王らのシーン自体は多くはなかったものの新しい一面を見せてくれる魔王もいました。特に修太郎についていくために狼形態となったシルヴィアは良かったです。
もともとは凛々しく、クールな印象でしたが、可愛いところや、ちょっとポンコツで残念なところもあり、イメージが覆りました。魔王の中でも特にギャップが激しくて意外性が大変強かったです。
次回の書き下ろしはシルヴィアになるようなので、彼女の過去話やバックボーンがもっと見られるかもしれません。

ひとくちおすすめポイントまとめ

  • 修太郎と他パーティとの交流を描く温かなストーリー!
  • 魔王なのに可愛らしさとダメさを兼ねそろえたギャップを持つ魅力あるキャラクター!

 

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