読む書くノベ楽

ライトノベルを中心とした小説や物語のレビューブログ

おすすめラノベ紹介/聖剣使いの最強魔王

聖剣使いの最強魔王

聖剣使いの最強魔王 (富士見ファンタジア文庫)

レーベル;ファンタジア文庫
著者;春日部 タケル
イラスト;ハリオ
発売日;2021/6/18
関連ワード;ファンタジー 魔王 勇者 最強 バトル 異世界

聖剣使いの最強魔王/カンタンなあらすじ

魔族でありながら、人間との和睦を唱える異端の魔王マヒトは、その甘い思想を父親と弟のマガツに危険視されていた。
父の奸計に嵌められてマヒトは魔族相手には力を行使できない呪いをその身に受けると、無抵抗のまま暗殺の危機に晒される。
しかし、死の寸前でマヒトの身に召喚の魔法が起こり、魔族領域から姿が消える。その転移先となったのは人間界にあるシンフォリア王国。召喚の儀を行ったフラウディア姫からマヒトは勇者であると誤解を受けてしまう。
本来の勇者は別に存在していたのだが、マヒトは誰も引き抜けなかった聖剣に選ばれることになる。
クラウディアが持つ平和な世界への願いと自身の目的の一致から、マヒトは正体を隠しながら、現魔王討伐を請け負う。

聖剣使いの最強魔王/登場人物紹介

マヒト

歴代最強の魔王と呼ばれた父親を凌ぐ魔力を持つ。力のある魔族でありながら、それを無闇に振るうことを良しとしない平和主義で人間との和睦を目指す。魔族相手には力を失う呪いがかかっている。

フラウディア・フォウ・シンフォリア

神代の巫女を務めるシンフォリア王国の姫。献身的で自己犠牲的な気質を持つ。勇者育成学園に通うことになる。

ヨーコ・テンドー

異世界出身の女子高生勇者。底抜けに楽天的な性格で、ファンタジーのお約束に理解を示し、異世界にも適応する。勇者適性値が非常に高く、特に魔法に関する才能はずばぬけている。

シャイン・オニヅカ

勇者育成学園の受験生の一人。基本的に無気力マイペースだが、口が悪く特にマヒトに対して当たりが強い。倭刀を扱い、高い戦闘力を持つ。

マガツ

マヒトの弟。兄であるマヒトとは対照的に残忍、狡猾、冷酷無比と魔族らしい魔族。

聖剣使いの最強魔王/感想・レビュー

昨今の異世界トルファンジーもののテンプレやお約束要素をこれでもかと詰め込んだ作品になっています。
勇者、魔王、姫、召喚、聖剣、そして学園と入学試験などなど最初から終わりまでコテコテなところをお腹いっぱいで満足になるほど堪能できます。
決められたパターンや定型がなぞられていく都合上、導入部となる今回のストーリー的には、新しさや意外な展開といったものを求めるには、やや向いていません。
ただ画一に過ぎるというわけでなく、マンネリに抗うようノリや勢いといったコミカル成分強めの遊び心は含まれてますので、そこで著者の個性を感じられます。
テンポの良い掛け合い、やり取りも多く見られ、楽しい気分で読むことができます。そうした部分を支えるためのキャラクターと設定については非常にしっかりしている印象でした。メインキャラクターのほとんどが一癖二癖ありつつも、パワフルで色濃い魅力を持っています。尖った個性だからこそ、並んでも見分けが容易で、ぶつかり合った時の愉快な反応があります。マヒトも主人公らしい強い主張を持ちつつ、伸び伸び動かして、話を引っ張っている様子がよく描かれていました。善と悪の属性のコントラスト表現も典型的ながら、シンプルでわかりやすさがあります。
対する悪役側も非道さをしっかり前面に出すまさにファンタジーの悪役魔族らしいつくりで好感持てます。また、ボス候補がカリスマ性を備え、主人公らと深い因縁を持っている点にも期待感溢れました。
ヒロインキャラはヨーコが頭一つ抜けて、彼女以外はまだ今一つ良いヒロイン性が出ていないのでこれからといったかんじでしょうか。基本的には「黙っていれば」という感じの残念系がほとんどという印象ですが、どういったギャップを駆使して崩していくことになるのか気になります。
紋切型のストーリーやバトル部分を爆発力をもったキャラクターたちが思い切り壊したり、飛び出してからがこの作品の本番だと思います。次の展開が大変楽しみなシリーズです。

ひとくちおすすめポイントまとめ

 

ブログランキング・にほんブログ村へ