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おすすめラノベ紹介/ドラキュラやきん!1巻

ドラキュラやきん!1巻

ドラキュラやきん! (電撃文庫)

レーベル;電撃文庫
著者;和ヶ原 聡司
イラスト;有坂 あこ
発売日;2020/9/10
関連ワード;現代 ファンタジー バトル 仕事


ドラキュラやきん!1巻/カンタンなあらすじ


社会の片隅でひっそりと息づく存在がいた。人とは違う闇の者と呼ばれる幻想の住人。
吸血鬼である虎木由良もまたその一人。コンビニの夜勤で働くことによって、苦手な陽の光を避けながらも生活を営んでいた。
ある日、コンビニ店長村岡と遅くまで飲んだ由良はその帰り道、女性が絡まれている現場に遭遇する。
夜明けのタイムリミットまであと少し。思わず助けに入ったものの、それにより朝を迎えた自身の体が灰と化し、こちらの危機もまた救われてしまう。
しかし、ひょんなことから知り合ったその女性アイリス・イェレイはなんとイギリスからやってきた闇の者を退治する専門家であった。
天敵でありながらお互いの恩人という複雑な関係。それは、由良の都合を無視してアイリスが家に転がり込むことで同居する間柄になり、さらに吸血鬼退治のパートナーという奇妙なものへと変わっていく。

 
ドラキュラやきん!1巻/登場人物紹介

 

虎木由良


コンビニの夜勤でバイトし、生計を立てる元人間の吸血鬼。見た目は若者だが、それ以上の年を重ねているため達観している部分がある。

 

アイリス・イェレイ


ファントム退治の秘密結社『闇十字騎士団』日本支部に所属する修道騎士。極度の男性恐怖症で、会話もままならない。人間でなければいいという独特の基準で虎木相手には平気。

 

比企未晴


虎木のことをよく知り、執着している名家出身の和服黒髪美人。ファントムが息づく裏の世界にも精通している。

 

村岡灯里


コンビニ店長村岡の一人娘。とあるバンドに入れ込んでいる女子高生。親子の仲は良好とは言い難い状態。

 

ドラキュラやきん!1巻/感想・レビュー


はたらく魔王さま!」シリーズの作者、和ヶ原聡司氏の最新作になります。今回も仕事に関係する作品です。タイトルはドラキュラやきんでその通り吸血鬼が夜勤で労働しているという設定です。
しかし、お話全体としては夜勤そのものにはそれほどフォーカスしておらず、労働よりもヒロインであるアイリスとの関わりである退治のほうが、どちらかというとメインです。コメディより、バトルやシリアスな描写の方が比較的多めの内容になっています。そういう意味では読む前に持っていたイメージと大きくギャップがありました。
作中には、日常と非日常をはじめ対蹠が多く盛り込まれており、ストーリーでもキャラクターでもそれぞれコントラストをしっかり効かせた丁寧な構成が読んでいてとても印象的でした。
特にキャラクターに関しては虎木兄弟の明暗の対比も心にきましたが、やはり対照的なヒロインキャラであるアイリスと未春の二人が一番魅力的に映りました。未春登場あたりからアイリスの輝きもさらに増して、そこからストーリーがぐっと面白くなっていったと個人的に感じました。
主人公とヒロイン、ヒロイン二人が相反する目的を抱いて描かれる三人の複雑な関係性は素晴らしいです。反発しながらも絡みつつ共闘していくやりとりはいつまでも見ていられるくらいでした。
一巻時点ではまだまだ隠された関係性がありそうな感じなのでこれからどう明かされ、お話が広がっていくのか楽しみな作品です。

ひとくちおすすめポイントまとめ

  • 和ケ原氏の安定のローファンタジー
  • 対極的なヒロインとの特殊な三角関係!

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