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おすすめラノベ紹介/クラスに銃は似合わない。

クラスに銃は似合わない。

クラスに銃は似合わない。【電子特典付き】 (MF文庫J)


レーベル;MF文庫J
著者;芝村 裕吏
イラスト;さとうぽて
発売日;2021年5月25日
関連ワード;学生 妹 バトル ファンタジー

クラスに銃は似合わない。/カンタンなあらすじ

折原昆は幼い頃、妹が欲しいと両親に告げた。
それから父が研究によって誕生させたのは、世界初のクラウド上に全身が構築された完全ネットベイビーである瑞穂だった。
瑞穂は、その維持費用に莫大なコストがかかっていた。
昆は、自身の愚かな言葉が招いた責任を感じて、高校生ながら妹の命を存続させるための大金を稼ぐべく民間軍事会社に勤めることになる。
最も給与面の良い傭兵での活動を希望していたが、その適性がないと判断され、護衛として仕事することになった昆に会社からあるテストが課される。
その内容は、一人の少女・谷城祥子のボディガード。
ただの女子中学生を警護対象とした不自然な仕事に疑問を抱きつつも、昆は祥子に接近すべく、身分を偽り中学校へと潜入する。

クラスに銃は似合わない。/登場人物紹介

田中(折原昆)

TACネーム「PP01」。妹を養うために民間軍事会社に雇われることになる。護衛任務の中で偽名として田中を名乗る。

折原瑞穂

昆の妹であり、研究によって生み出されたネットベイビー。誕生した際はその存在が世間に目をつけられ、多くの議論を呼んだ。本人に自覚がないがかなりのブラコン。

谷城祥子

昆の護衛対象。読者モデルをしており、ルックスが良いが、非常に負けず嫌いでマウントを取りがちな性格をしている。クラス内では孤立気味。

三っ葉葵千

名家である三っ葉葵の当主。見た目は天真爛漫な幼女だが、高いカリスマを備えている。

久木慈

千の従者であり、有能なる影武者。主人である千を誰よりも敬愛し、献身的に支える。

老師

昆の指導教官。過去に多くの人間を殺してきた凄腕の傭兵。未熟である昆の精神面を見抜き、それをケアしながら、一人前の護衛へと導く。

クラスに銃は似合わない。/感想・レビュー

ストーリー

学園を舞台にしたボディガードのストーリーになります。狙われるヒロインを主人公が守るというヒーローものに類する比較的人気なジャンルです。
ヒーローらしい熱い部分、必死さやがむしゃらさがしっかり備わっています。構造もベーシックでシンプルに楽しめます。
タイトルからは現代の銃を使ったアクション劇を想像しますが、人間同士の銃撃戦がメインというわけではありません。敵役の配置も、普通の人間も相手としていますが、それ以外にモンスターのような化け物が出てきます。現実の現代をベースにしつつ、ややファンタジーの要素を混ぜ込んだような世界になっています。
ファンタジー部分も、冒頭からしっかり出していますので途中から唐突にそうした展開が現れておいてけぼりを食らうようなことはなく、自然と飲み込めるつくりでした。
通常と異なる非現実が絡む自由さや新鮮さと現実的な部分の安定性や受け入れやすさの良い部分がそれぞれ出ており、上手くマッチしていました。
バトルやアクションシーンもテンポとスピード感が十分で緊張感を味わいながら読めました。
設定が独特で謎が多い部分もあるので今後どのように明かされていくのか楽しみなところでもあります。

キャラクター

護衛をテーマにしてますが、ヒロインらにはありがちなか弱い存在が見られず、むしろ騒がしくめんどさくさいものがほとんどになっています。
それは決してネガティブな意味でなく、めんどくささやウザさというものがヒロインの可愛らしさや魅力へと繋がっています。
印象と存在感も強く、またやかましいその個性のおかげで主人公とのやりとりも独特で愉快なシーンが多数繰り広げられました。
著者が作品の中で丁寧に描こうとした現実に抗うヒロインの姿勢も読者の共感を呼びやすく読んでいて気持ちよかったです。
それらヒロインを守る立場である主人公は、その性質上、平凡な無個性型ではなく、かといって最強というほど圧倒的なわけでもありません。ヒーローとしての強さを持ちつつ、緊張感による刺激も感じられ、絶妙なバランスの良さがありました。
不屈と勇気という欠かせない資質も持っており、それを支える良い背景があることも応援したくなるポイントでした。
すれているところや、斜に構えている部分もありますが、そうした彼の精神が物語の中でどんな成長を遂げていくのか見届けたくなる主人公だと思いました。

ひとくちおすすめポイントまとめ

  • ファンタジー織り交ざる学園潜入ボディガードストーリー!
  • 骨太で緊張感あふれるバトルとアクション!

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