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おすすめラノベ紹介/僕の軍師は、スカートが短すぎる~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下

僕の軍師は、スカートが短すぎる~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下

僕の軍師は、スカートが短すぎる ~サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下 (GA文庫)

レーベル;GA文庫
著者;七条 剛
イラスト;パルプピロシ
発売日;2020/10/15
関連ワード;女子高生 仕事 アイドル 心理学 妹

僕の軍師は、スカートが短すぎる/カンタンなあらすじ

北条史樹はしがない中小企業に勤めるサラリーマン。連日の残業続きでくたびれた体で帰宅すると、家の前で空腹を訴える女子高校生・坂柳穂春と出会った。
根っからのお人好し気質である史樹は、それを見て見ぬふりすることも出来ず、迷わず手を差し伸べる。
温かい食事と家に感謝した穂春は、一宿一飯の恩を返すべく史樹の力になることを申し出た。
史樹の目下の悩みは、定時帰りできないこと。年の離れた妹の保護者として、最低限達成したい目標だったが、ハードワークが当たり前で終電帰りからなかなか抜け出せられないのが現状だった。
ただの女子高生にそれを解決できるとは思っていなかった史樹だったが、穂春の助言を実行したその日、驚くぐらい容易く定時帰りを果たす。
穂春の正体は、世間で人気のアイドルグループ<&SIX>を商業的に成功させた影のプロデューサーだった。
その日から史樹は穂春に仕事の軍師として様々な相談事を持ちかけ、頼ることになる。


僕の軍師は、スカートが短すぎる/登場人物紹介

北条史樹

ソフトウェア開発会社に勤務するサラリーマン。頼まれると断れず安請け合いしてしまう優しくも損な性格の持ち主。年の離れた妹がおり、大切に想っている。

坂柳穂春

アイドルグループ&SIXの表に出ない6人目のメンバー。心理学者であり経営コンサルタントである父を持ち、人の心の読み方や動かし方を熟知している。&SIXのプロデュースを手掛け、ファンの間では「軍師」と呼ばれている。

鴇田瑠衣

史樹の後輩であり、第一開発部所属の数少ない女性社員。容姿が整っており、社内でも特に男性人気が高い。何度も仕事で助けられている史樹のことが気になっている。

相馬汐音

&SIXのリーダー。メンバー内でも一二を争う人気を誇り、魅力的なオーラを持つ。自分たちをプロデュースしてくれた穂春の力を認め、大きな信頼を寄せている。

僕の軍師は、スカートが短すぎる/感想・レビュー

男性サラリーマンと女子高生の同居ラブコメです。よくある学生同士でもましてや社会人同士でもなく、成年と未成年というアンバランスでやや逸脱チックな組み合わせの物語になります。
もっとも、「仕事」や「家族」という部分が主軸となり、恋愛を目的とした関係のものでないので、不健全さの面の扱いはそれ程強くありません。ビジネス部分の「公」のパートと家族や同棲部分の「私」のパートの比率が非常に良く構成されていた印象でした。
主人公史樹とヒロイン穂春の片や保護者と片やコンサルタントという立場でお互いの公私をクロスさせ、絡ませ合う関係性もユニークで面白いと思いました。課題の解決に心理学を用いるのも一つの独自性として魅力的な切り口です。
今回のお話では、ハロー効果や返報性の原理など比較的有名な社会心理学の心理作用を紹介されてました。日常に役立つ知識を学ぶきっかけとなるのも良い点です。
心理学は、とても幅広く奥深い学問の一つですので、今後の活かし方や展開といった部分も十分に期待できます。昨今人間関係の解決に注目されているアドラーの個人心理学などもそうですし、また、ラブコメとして恋愛に心理作用を駆使して様々な緻密な駆け引きを描写していくなど、そこに眠るポテンシャルは素敵に持ち味になりそうです。
それぞれのキャラクターらも役割を明確に持った上で無駄なく配置されており、わかりやすい動きが重視されてました。キャラ設定に関しても悩みや弱さが我々誰もが一般的に抱えるようなものと近いことが、入れ込みやすさ、共感しやすさに繋がっていました。
キャラ同士のやりとりも軽やかでテンポも問題なかったのですが、一つ気になる点として、流れの中で都合良く映ってしまう場面が多く目に付いた印象です。このご都合主義的な展開の見せ方というのは受け取り手によって評価がわかれるポイントだと思います。
ただ、そもそものコンセプトが自分の悩みの解決を示してくれる可愛い軍師が現れたらという都合の塊です。細かな合理やつまらない現実性にこだわると却って面白味を損なうこともありますし、下手に手堅さや小賢しさが感じられてしまえばキャラの魅力も失われた可能性もあります。展開の中で軍師感は少し薄れたかもしれませんが、最も重要な可愛さは保たれていたのでそこは良かったです。
やはり可愛さというのは、正義であり大きな価値を持っています。ヒロインに心惹かれるかどうかの鍵になりますし、その点今作は三人いるヒロインの三者三様の「可愛さ」が主張されていました。ヒロイン力が気持ちよく感じられるストーリーであったのは間違いないです。
主人公との距離感もちょうど良かったです。これからどのように進展していくのか興味をそそられましたし、&SIXの他のメンバーも以降の物語で新キャラ、新ヒロインとしてきっと登場してもっと賑やかになるのかなと思います。これからますます面白く動いていく予感がする秀逸な作品でした。 

ひとくちおすすめポイントまとめ

  • 心理学の知識を使った面白い切り口で課題を解決!
  • 人間らしい弱さと可愛らしさの魅力を備えたキャラクター!

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